株式会社 創健社 設立趣意書 Prospectus
近時日本の文化も著しく発展して参りましたが、これに伴い、国民の生活様式は随処に於いて心を失った機械的なものへと、変化し、全く寒心に耐えない次第でございます。
人間疎外の生活は食によってその嚆矢となっており、一如であるべき、身と心の離反は健全なものを失わせしめ、病を誘発させて、巷間に不健康な人々を溢れさせております。
然るに、斯界には、人間を無視した医療機関や利潤追求に、汲々たる薬事業者の跋扈あるのみで、真にこれを憂える健康食品業者や医療家の少なき事は、淋しさの限り以外の何ものでもございません。
斯かる間にありまして私共も及ばずながら健康食品の普及販売に努めて参りましたが、個人的な事業経営には、おのずからその進展段階に於いて限界を見出すものであり、事業の大半が流通機構に於いて合理化を進めている今日、私達も又将来の大計の為に対処すべき必要があると存じ上げます。
有する資力が例え大資本に遠く及ばずとは申しながらも、堅実な成長を遂げて行く為に、強固な経営の基盤を築く必要があると思うのであります。
そこで此度単一的な健康食品の普及販売に止まる事なく広く、保健全般に関係した事業を考え、その母体を起こすべく株式会社創健社の設立を発起する事に致しました。
就きましては、この趣意に御賛同賜り度、本書をもちましてその志すところを表す次第でございます。
(原文のまま)
昭和43年 1月10日
株式会社創健社 設立発起人
総代 中村隆男
設立発起人
門田博 金高資治 森下敬一
五来長利 今沢武人 向田季男
矢野嶋男