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【メーカーにエール!】童仙房茶舗様 新茶お茶摘み取材レポート

予約新茶でお馴染みの童仙房茶舗様に新茶の茶摘みの時期に訪問させていただきました!

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童仙房茶舗は、明治4年創業。

京都府の東南端、南山城村の標高500mの高原にあります。

国道163号線の長いトンネルを抜けた後、山道を車でぐんぐん登り辿り着きました!

今回ご案内してくださったのは、7代目園主の布施田様です。

11カ所の茶畑を管理されています。

童仙房茶舗では、1980年から無農薬・有機栽培を続け、工場も有機JAS認証を取得されています。

★お茶摘み体験をさせていただきました!(品種:やぶきた)

童仙房茶舗では、やぶきた、おくみどり、さみどり、かなやみどり、こまかげの5品種を栽培されています。

新芽の先端(芯芽)とその下の3枚の葉を摘むことを一芯三葉と呼びます。

3枚の葉の下の茎を親指と人差し指の腹で持ち、ポキッと折ります。気持ちよくポキッと折れて、楽しかったです。私たちが摘んだ茶葉は、その後機械で摘んだ茶葉と合わせて製茶していただきました。

現在は、ほとんどが機械で摘んでいるとのことで、機械で摘む様子も見させていただきました。

2人1組で機械を持ち、垣根の半分ずつを往復して摘んでいきます。摘んだ茶葉は風によって袋の中に集められていきます。

茶葉がずっしりと入った袋は重く、力仕事であることを再認識しました。

お茶の木(根)は過湿には弱いため、水はけの良い傾斜地にあることが多いです。傾斜ではこちらの機械を使用しますが、傾斜がゆるやかな茶畑では、乗る機械を用いるそうです。

★茶畑の至る所に扇風機がありました

風がなくなると茶葉に霜が降りてしまうため、新芽が芽吹き始める3月末から収穫前(5月中旬頃)まで扇風機で風を送り、霜が降りないようにしているそうです。

★抹茶の原料:碾茶(品種:おくみどり)
抹茶の茶葉となる碾茶は、日光が直接当たらないよう黒い遮光ネットを覆います。これにより、光合成をしにくくなるため深い緑色になります。苦味が少ないのが特長です。
黒ネットは、直接茶葉に覆う方法と、屋根のように棚にする方法があり、棚の方が茶葉に触れないため、ストレスなく育ちやすいそうです。
抹茶は需要増により高騰しており、今年は去年の1.7倍~2.2倍の価格だそうです。

★茶葉の状態
今年は少し成長が遅めのようです。
同じ時期でも暖かい日と寒い日の移り変わりが不安定であると葉の成長がまだらになってしまいます。暖かい時に出た芽は伸びが早く、寒い時に出た芽は伸びが遅いためです。1日の寒暖差はあった方が旨みが増すそうです。

★番茶
一番茶を摘み終えた後、もう一度伸びてきた茶葉を番茶と呼びます。渋みがあり、カテキンが豊富です。

・・・茶畑をご案内いただいた後は、布施田様に煎茶と和紅茶を特別に淹れていただきました。

静岡の煎茶は緑色が濃く、飲み口がまろやかですが、
淹れていただいた宇治の煎茶は、きれいな山吹色をしていました。若干の渋みを感じた後、渋みが旨みに変わり、とても上品で美味しかったです。

和紅茶は、紅茶の優しい香りが鼻に抜け、ほのかに甘みも感じられてこちらもとても美味しかったです。スリランカから訪れたお客様も絶賛されていたそうです。

★煎茶の淹れ方のポイントを伺いました!
70℃くらいのお湯で淹れるため、熱湯を一度湯呑に入れて少し冷まします。
→1分半~2分おいてから注ぎます。最後の一滴が美味しいと伺いました。これからは最後の一滴まで大切に淹れようと決意しました。

・・・午後からは製茶の加工工程をご案内いただきました。

製茶工場に入るとお茶の香りが漂います^ ^

★製茶加工工程
1回の製造ロットは100㎏。→出来上がりは25㎏になります。
訪問させていただいた日は600㎏(製茶後150㎏)を製造されていました。
多い日では生葉約1500kg(製茶後300kg~400㎏)を製造されているそうです。
1日の最後に洗浄して次の日に備えます。

製茶前の茶葉はそのまま置いておくと発酵してしまうため、発酵しないよう、下から風を送ります。

蒸し工程
蒸すことで酸化を止めて、緑の葉っぱのまま加工していくことができます。(蒸さずに温めてしまうと葉が茶色くなってしまいます)
ボイラーで沸騰させたお湯の蒸気で蒸していきます。蒸気の量や機械の角度を変えて蒸し加減や蒸し時間を調整していきます。撹拌のために網とブラシが付いていて、撹拌のスピードも変えることができます。

冷却 冷却することで色が良くなります。

計量 95㎏~100㎏に計量します。

粗揉葉打機(揉み手:柔らかい)
もみ手とフォークで揉んでいきます。フォークでバサッと葉を上げて、落ちてきたときに揉み手との間に挟まれて揉まれていく仕組みです。

蒸した直後は水分が多く柔らかいため、柔らかい揉み手を用います。硬い揉み手の場合、砕けてしまうためです。芽の大きさによって、温風と回転スピードを変えながら揉んでいきます。100℃くらいの温風で乾かしながら徐々に水分を落としていきます。

粗揉機(揉み手:硬い)

 ⑤の工程で水分が少し飛んでいるため、固い揉み手を使います。茶葉が竹(庭竹)と揉み手の間に挟まれることで、揉まれていきます。水分が一定になるよう測りながら揉んでいきます。

柔捻機(じゅうねんき)
加圧しながら水分を均一にします。茶葉の組織を壊してお茶の旨みを引き出します。

粗揉葉打機
塊や団子になってしまったものをほどき、さらに揉んでいきます。

中揉機
ドラム缶の中で茶葉を回転させることで、ひじきのような形の茶葉ができます。

ここまでの工程は1工程およそ24分ずつでした。

精揉機
ギザギザの板と布の間に挟んで揉んでいきます。
10%強くらいの水分があるため、いきなり加圧してしまうと団子になってしまいます。そのため、徐々に加圧を強くしながら揉んでいきます。

リズムを変えながらピンと棒状になるまで、およそ46分かかります。 
乾燥具合を手で確かめて必要に応じて延長します。

1バッチ目は火が温まっていないため少し時間がかかります。46分後、湿り具合を触らせていただきましたが手に茶葉が残るくらい湿っていました。数分延長して改めて触らせていただくと、手に茶葉が残らない具合になっており、変化を実感することができました。

棒状になりました!

乾燥機

最後に乾燥し、荒茶が完成しました!

荒茶ができるまでおよそ3時間30分ほどかかります。
荒茶が出来上がったら、3℃~5℃の冷蔵庫に入れます。10℃以上で劣化が始まってしまうためです。

★紅茶
童仙房茶舗にて蒸さずに自然発酵させます。1時間くらい機械で揉みます。
発酵後、棚乾燥機に入れて発酵を止めます。棚乾燥機で乾燥させることで香りがよくなります。
棚乾燥機は今はほとんど製造されていないため、お取り寄せされたそうです。

★ほうじ茶のこだわり
一般的な製法:ドラムで焙じ、表面から焦がしていきます。このとき、煙も一緒に巻いてしまいます。
童仙房茶舗様のこだわり:遠赤外線で香ばしく焙じるため、茶葉の芯から火が入ります。煙が外に出るため煙の香りを抑えることができます。例えるならば魚焼きヒーターのようなイメージです。
ドラムでは時間設定をして焙じることができますが、遠赤外線では時間設定はできないため、長年の経験により調整する必要があります。

★社内でもファンが多い「水筒に入れて楽しむ」シリーズ
同シリーズは、2023年に発売されたばかりですが、特にほうじ茶は社内でも大人気です!
可愛い茶娘たちが描かれた素敵なパッケージ。実は、布施田様の双子のお嬢様のイニシャルが隠れていると教えていただきました!是非探してみて下さい。

童仙房の地は自然に恵まれ、とてものどかで空気も美味しく心地が良かったです。帰りの道中では、鹿に遭遇することもできました。
1998年には25軒あったお茶農家も今では7軒にまで減ってしまったそうです。
童仙房茶舗はこの地で、150年以上お茶を作り続けています。1980年から有機無農薬栽培を開始し、40年以上農薬や化学肥料は使用していません。

消費者の方に安全で美味しいお茶を届けたいという想いで大切に育てられたお茶を、より多くの皆さまにご賞味いただけることを願っております。
布施田様をはじめ、童仙房茶舗の皆さま、
シーズン初めでお忙しい中、2日間丁寧にご案内いただき本当にありがとうございました!

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