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【ジーノと食と哲学と⑫/ジーノ・ジロロモーニは考える】

水と小麦だけで、パンやパスタができる。歴史上、ずば抜けて素晴らしい発明である。

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「水と小麦だけで、パンやパスタができる。
 歴史上、ずば抜けて素晴らしい発明である。
          ジーノ・ジロロモーニ」
 
ジーノ・ジロロモーニが追求したオーガニック農業は、何も特別なものではありませんでした。太古の時代から当たり前に行われていたことをその通りにやれば、水と小麦だけで素晴らしい恵みがあるということだったのです。化学肥料や農薬によって土壌の中の微生物たちまでもが死滅してしまい、土地は瘦せおとろえ、その結果、水は汚れ、小麦は栄養素が失われ味わいの乏しい「工業製品」になってしまう。ジーノは昔ながらの豊かな土壌を取り戻しさえすればいいと主張し、実践しました。
 
2010年3月、来日したジーノは講演会の中で自然農法の福岡正信氏への敬愛の念を熱く語りました。福岡正信氏は、人間が大自然を相手にあれこれと足したり加えたりすることは、本来の自然の姿からかけ離れてしまうとし、人為的作業を極力少なくして、自然との調和を図ることをめざしました。余計なことをしなくても大切なものはみんな最初から自然の中にあって、人もまたそのサイクルの中で生かされているという視点がジーノとも共通していたのでしょう。
 


イタリアのオーガニック農業のパイオニア、ジーノ・ジロロモーニ(1946-2012)は、急な過疎化が進んでいた故郷イゾラ・デル・ピアーノを、オーガニック農業で復活させた生産者であり、それだけでなく、音楽・芸術などの文化拠点として人が集まるようにしたリーダーであり、信念と教養あふれる哲人であり、曲がった事が大嫌いな闘士でもありました。
 
●イタリア有機農法の先駆者、ジーノ・ジロロモーニのオーガニックスパゲッティ
http://sokensha.co.jp/GIROLOMONI/