工場視察の前に、原料であるカカオの市場状況についても丁寧にご説明いただきました。カカオは、現地で発酵させてから日本に運ばれています。カカオの産地はコートジボワール、ガーナなど、アフリカや東南アジアなど高温多湿な気候で栽培されています。発酵方法は、ボックスに入れる方法とバナナの葉で包む方法の2種類が一般的だそうです。
現在カカオは、異常気象、農家不足、投資などの影響を受けて、価格が高騰しております。それに伴い、チョコレートの高騰も続いており、希少価値が高くなっていると学びました。
それでは、工場視察レポートをお届けいたします。
原材料の入庫からバーコードで管理しており、生産に関する情報全てを一元管理する生産管理システムが構築されていました。原料倉庫に保管している原料は、2-3日で使い切ると伺い驚きました。バーコードが貼られた原料の一部は、「小分け室」に運ばれます。商品ごとに定められた分量に小分けをする部屋です。①黒の小分け室、②白の小分け室、③添加物の小分け室 と色の混入を防ぐために原料の色ごとに部屋を分けていることが印象的でした。
いよいよ製造している工程に移動すると、チョコレートの甘い香りが漂い、幸せな気持ちになりました。まず初めに、ニーダーと呼ばれる原料を混合する工程を見学しました。各原料を均一に混ぜ合わせ、固さを調整しながら生地にしていきます。次に、ロールリファイナーと呼ばれる微粒化の工程に入ります。チョコレート独特の舌触りを出すため、原料を20マイクロメートル前後以下の粒子に細かくすり潰します。回転によってなめらかさが変わるので調整していきます。なめらかなもの、ざらざらとした食感を残したものを用途に合わせて使い分けます。
チョコレートは水を含むと変質してしまうため、水を使った洗浄ができない設備があると学びました。水分を含まないことで、微生物の繁殖も阻止することができます。いちごやレモン味など、フレーバー付きのチョコレートの場合は、洗浄しているとのことでした。
続いて、コンチェ(精練)と呼ばれる生地を練り上げる工程に入ります。チョコレート独自の風味を引き出すため、高温で長時間練り上げます。数十時間練り上げるものもあるそうです。縦型と横型の機械があり、練り上げ時間や回し方を変えることで、雑味や酸味を調整していきます。
ここまでの工程でチョコレートの原液ができました!
成形するものは、成形の前にテンパリングを行います。テンパリングとは、温度調整を行い、チョコレートに含まれるココアバターを安定した結晶にする工程です。
続いて、成形のラインに入ります。
型(モールド)を使って、スタンダードな板チョコからパフチョコ、二層チョコなどバラエティに富んだ製品を作ることができます。チョコチップを成形するラインや、固めた後にカットして様々なサイズを作るラインもありました。ナッツやフリーズドライフルーツなどをコーティングし、チョコボールを製造するレボルパンと呼ばれるラインでは、現場の方々が機械1台1台の前に立ち、様子を確認しながら調整されていました。精錬された人の技術によって作り上げられていることを知り感銘を受けました。
包装加工は、横ピロー包装と縦ピロー包装、給袋包装の3パターンがあり、弊社のチョコレートも商品によって使い分けていただいています。 また、弊社のダイス抹茶チョコのような中包みがキャンディー状のものも、ひねりの技術により対応可能です。
検品が終了した製品は、全国へ運ばれ、私たちの元に届きます。
今回の工場視察を通じて、たくさんの方々の精力によって、私たちが美味しいチョコレートをいただけていることを再認識しました。
東京フードの皆様、快くご案内いただき誠にありがとうございました!