栄養機能食品において記載が認められているビタミンCの記述は「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」とあります。
水に溶けやすい性質(水溶性ビタミン)があり、光や空気の影響を受けやすく、調理による加熱に弱い特徴があります。
ビタミンCの働き
そもそもビタミンとは、人体の機能を正常に保つために必要な物質であり、体内ではほとんど合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
ビタミンCは、体内でコラーゲンの生成をする際に必要不可欠な栄養素です。コラーゲンは、皮膚・粘膜をすぐにイメージをするかもしれませんが、骨・関節・筋肉と人間が動くためには必要な部分に多く分布しており、これらのコラーゲン不足による疾患の一つにビタミンC不足が関係しているともいわれています。
また、ビタミンCは鉄の吸収促進や免疫力の強化、体内に侵入した異物を代謝する酵素の活性化、抗酸化作用による心疾患予防が期待できるなど、さまざまな働きを持つ栄養素です。
体内ではほとんど合成することができないため、厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準においてもビタミンの1日当たりの摂取推奨量が示されています。
ビタミンCの場合、成人男女で1日当たり100mgが摂取推奨量とされておりますが(2025年度版は1日50mg)、水溶性ビタミンの為、こまめに摂取する事や、野菜や果物を多く摂る必要があるため、普通の食事だけでは心もとないとして、多くのビタミンCサプリメントが販売されています。
ところでこのようなサプリメントに入っているビタミンCの原料は何なのか?考えたことはありますでしょうか。
一般的なビタミンCのサプリメント
ビタミンCは先にご紹介しましたように、抗酸化作用を持つため、食品の酸化による品質低下を防止する目的で「酸化防止剤(L-アスコルビン酸)」という食品添加物としても使用されています。
L-アスコルビン酸はとうもろこしなどのデンプン由来のぶどう糖を原料にして、発酵により作られます。日本においてはそのほとんどが海外産に依存しており(主に中国)、食品添加物だけでなく、サプリメント原料としても使用しています。
原料のとうもろこしについては、一部遺伝子組換え混入防止管理をされたものもありますが、大半は分別されたものではありません。
ビタミンCを多く含む農作物について
ビタミンCを多く含む農作物で良く知られているのが「アセロラ」です。
アセロラはサクランボのような赤い果皮の果実ですが、日本食品標準成分表2020年版(八訂)において、果実に含まれるビタミンCは1700mg/100gです(レモン果実に含まれるビタミンCは100mg/100g)。
また、最近注目されているのはペルーが原産とされる「カムカム」です。
カムカムはアセロラに似たサクランボのような実であり、野生のカムカムはペルーの先住民より古くから利用されてきましたが、最近になって栽培が盛んになりました。
ビタミンCは約2800mg/100gとアセロラよりも多く含まれるとされ、スーパーフードとしても期待されています。
せっかくサプリメントでビタミンCを摂ろうとするのであれば、その由来原料にもこだわってみてはいかがでしょう。