健康に優しい 7つの提案

1.旬のものを食べる - 自然の恵みに感謝していただくということ -

旬の食べものは生命力の源

昔から「初ものを食えば七十五日生きのびる」「初ものは縁起がいい」などといわれてきました。まだ栄養学などない時代に伝え継がれてきた初ものへの感謝、そこには無病息災を願う先人の知恵がつまっています。日本の風土の特色は、四季があることです。季節ごとの食材があり、それを上手に食べることでからだのバランスを整え、健康を保ってきました。

冬の間、土中で眠っていた種が次々と芽を出すように、春は生きとし生けるものが活動を始める季節です。山菜や野草がおいしくなる春には「にがみを盛れ」と言われてきました。これは、芽吹く時期には、にがみのあるものを食べ、冬の間に体内にたまった老廃物を出して、ビタミンやミネラルを摂り入れようという知恵なのです。 また、春の陽光をふんだんに浴びて育った春野菜には、たくさんの葉緑素とカロチノイドなど抗酸化力のある色素が含まれています。生命力あふれる旬のものが持つ力が、私たちのからだに新しい細胞を作り出します。暑い夏には「水気や酸味」。きゅうり、なす、トマト、スイカなどウリ科やナス科の夏野菜は、からだを冷やし、体調を整えてくれます。そして秋になったら、「秋茄子は嫁に食わすな」。一般には、「秋にできるナスは味がよく、もったいないから嫁に食べさせるな」という意味で使われることが多いようです。しかし、本来は「ナスはからだを冷やすので大事な嫁に食べさせるな」という意味が込められていました。これは夏の食習慣のまま、からだを冷やすナス科やウリ科の野菜を食べ続けてはいけないことを教えています。夏の太陽の恵みを受けて甘味を増した野菜や果物、良質な油(ドコサヘキサエン酸:DHAやエイコサペンタエン酸:EPA)ののった旬の魚(イワシやサバなど)をたっぷり摂って、寒い冬に備えましょう。冬は、寒さからからだを守るため、からだを温める根菜(ごぼう、にんじん、れんこんなど)や脂肪類をたっぷり摂ります。

免疫力もアップ

このように、私たちのからだは1~2週間のサイクルではなく、自然の恵みに沿った四季のサイクルで、生理的にバランスをとっています。旬の野菜や魚などを食べることが、免疫力を高めたり、抵抗力をつけたりと、丈夫なからだづくりにつながっていきます。旬のものは太陽と大地から最高の恵みを受けて育っているため、生命力が強く、栄養価も高くなっています。また旬のものは、その時期に大量に出回り価格も安くなりますので、ぜひ「旬」を意識したメニューを取り入れるようにしましょう。ただし、「楽しく、おいしく」「無理せずにできることから始める」が大事。一日一日、判で押したようにがんばらなくても、週に1度、旬を食べることから始めてみませんか。

旬のものを食べる - 豆知識

Q
葉緑素とカロテノイドってなんですか?
植物が活性酸素から自らを守るメカニズム
カロテノイドとは、黄、オレンジ、赤など植物に含まれる色素です。目や皮膚、内臓などの細胞組織を活性酸素のダメージから守るとともに、活性酸素を除去し、がんを予防する効果があります。  植物は日光を浴びて成長しますが、日光を浴びると、葉の中に活性酸素などの毒物が形成されます。このため、植物は身を守るためのメカニズムとして、抗酸化作用のあるカロテノイドを組織内にもち、組織を酸化による傷害から守っているのです。つまり、カロテノイドは紫外線を遮断するフィルターのようなはたらきをしているわけです。カロテノイドは人間のからだに入っても、抗酸化作用を発揮します。カロテノイドの種類とそれが多く含まれる食品には次のようなものがあります。

β-カロテン(にんじん、かぼちゃなど緑黄色野菜)
ルティン(ほれんそう、からし菜、キャベツ、とうもろこし、そばなど)
リコピン(トマトやトマト製品)
フコキサンチン(ひじきやわかめ、昆布、モズクなど)

Wikipediaで「カロテノイド」を検索
Q
活性酸素と抗酸化力の関係は?
一定量を超えた活性酸素は「毒」 野菜の力で、活性酸素を除去
人間は酸素がなければ生きていけません。しかし、いったん体内に取り込まれると、酸素が「毒」に代わり、人間のからだを傷つけてしまうことがあります。これが活性酸素です。一定量の活性酸素は、体内に侵入してきた細菌を破壊する、免疫機能になくてはならないものですが、ある一定量を超えると遺伝子や、皮膚・筋肉・内臓・脳などすべての細胞を傷つけます。その結果、がん・動脈硬化・糖尿病・肝機能障害などさまざまな病気を引き起こします。シミやシワなど肌の衰えにも活性酸素が深くかかわっています。野菜の残留農薬、合成添加物、タバコ、紫外線や大気汚染、激しい運動、精神的なストレスなども体内で活性酸素を発生させるといわれています。これに対して、活性酸素を除去する作用のことを抗酸化作用(抗酸化力)と呼びます。抗酸化力の優れた食品の代表選手は野菜です。野菜のおもな抗酸化物はビタミン(A、C、E、B群)という栄養成分と、ポリフェノールという植物色素といわれています。いずれも旬の野菜(とくに緑黄色野菜)には豊富に含まれています。
Q
DHA、EPAが、からだにいいのはなぜ?
悪玉コレステロールを減らし、血栓を防ぐ効果がある
DHA(ドコサヘキサン酸)も、EPA(エイコサペンタエン酸)も、n-3系オメガ3脂肪酸に属する多価不飽和脂肪酸の一種です。DHA、EPAは、とりわけイワシやサバなど青い色の魚の油に多く含まれています。DHAには悪玉コレステロールを減らす作用があるといわれます。悪玉コレステロールが増えすぎると、血管壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が進む原因となります。また、EPAは血液を固まりにくくする作用があり、血栓ができるのを防ぐ効果があるといわれます。血栓とは血管の中で血液が固まった状態をいい、脳血栓や動脈硬化の原因となるものです。DHAやEPAをふんだんに含んだ旬の魚を食べるよう心がけたいものです。
Q
免疫力ってなんですか?
病気から身を守る力のこと 栄養と深い関係が ...
免疫力とは、一言でいえば、細菌やウイルスといった病原体などの異物から身を守る力のことです。体内に病原体が入り込み、それによって病気にかかっても、その病原体を排除し、治癒していくことができる免疫力という生体機能が人間にはそなわっています。たとえば、転んで膝をすりむいても、数日もしないうちに、すりむいた部分は完治し、皮膚も生まれ変わります。からだの細胞の一部が壊れると、自己再生機能によって細胞は元に戻ろうとします。一方、傷口から侵入した細菌に対しては白血球などが細胞を攻撃する外敵と闘います。その間に、壊れた細胞は自己再生機能によって完治していくという具合です。免疫力と栄養は密接な関係があります。とりわけ、ビタミンは細胞の働きを強めたり、細胞を増殖したりするといわれています。ビタミンを多く含んだ緑黄色野菜を食べ、免疫力を高めるようにしましょう。なお、合成食品添加物などは免疫力を低下させるので要注意です。