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【メーカーにエール!】高橋製麺①小ロット対応、OEM専門。数々の日本初を持つ製麺メーカー【パートナー応援特集】

昭和47年「日本初の無かんすいのフライ麺」製造秘話。

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高橋製麺(埼玉県鴻巣市)の創業は明治29年。乾麺の製造卸業を営む髙橋安五郎商店として誕生しました。昭和25年に髙橋製麺株式会社を設立。昭和38年11月に即席麺を製造開始。インスタントラーメン元年のことです。

平成9年に創健社の子会社となりましたが、それ以前から協業の歴史は長く、実に半世紀近くになります。高橋製麺が「無かんすいラーメン」の製法特許をもっていたことから、無添加にこだわる創健社との縁ができたといいます。飯塚聡社長にインタビューしました。

 

●日本初「無かんすいラーメン」の製法特許が結んだ創健社との縁

──高橋製麺と創健社との出会いは昭和50年まで遡ると聞きました。どういうきっかけだったのでしょうか?

飯塚(敬称略):話は少し遡りますが、高度経済成長時代の日本では、粗悪なかんすいが出回って製麺に使われていました。戦前は大陸の良質な天然物のかんすいを使えましたが、中国との国交が途絶えた時期に悪質な業者がかんすい代わりに苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使うなどして健康被害も出ていました。そのためにかんすいが悪者扱いされるようになってしまいました。本当は、かんすいそのものは決して悪いものじゃないんですけどね。

 

当時の社長が「ではかんすいを入れないものを作ろうか」と考えて、苦労して無かんすいのフライ麺を作ることに成功しました。即席麺としては日本初で、「多加水製法」の名称で特許を取ったのが昭和47年のことです。無添加の食品を展開していた創健社の創業者の中村隆男社長がそれを聞きつけて、「無添加のラーメンがあるならぜひ創健社の商品を作ってほしい」ということで、弊社との取引きが始まったと聞いています。

 

●3000食からの小ロット対応ができるOEM製麺のエキスパート

──高橋製麺はどんな特色のある会社ですか?

飯塚:ご依頼に沿って麺製品を製造するOEM専門の会社です。自社製品がメインなのではと誤解されることもありますが、ご依頼に応じてさまざまなこだわりのインスタント麺製品に対応するのが基本です。商品の袋麺は、麺だけでなくスープや包材などいろいろ資部材が発生しますが、そのうち、弊社が直接手をかけているのは製麺です。届いたスープや包材をパッケージして商品の最終形として納品します。

 

高橋製麺の特色は小ロット製造です。麺の製造ロットは、3000食単位で対応が可能です。一般に製麺業社は同じものを大量生産することでコストダウンと作業の効率化を図ります。そういう会社は小ロットのご依頼には対応できません。弊社と近いスタイルの会社さんでも最低でも6000食単位だと聞いたことがあります。一般の製麺業ではさらに大きくて何万食単位が普通です。

 

──高橋製麺ではどのようにして、他社ではできない小ロット製造を実現しているのですか?

飯塚:その前に製麺の流れを簡単にご説明すると、麺の原料をミキサーでこねて一気に麺機に流してつくります。何万食単位で製造するメーカーでは、大きなミキサーを使ってラインをいくつも稼働させています。朝スイッチを入れたらそのまま1日中途切れることなく同じ麺を作り続けるのが最も効率的です。

 

一方、「どこそこ産の小麦を使ってほしい」「発芽玄米を入れたい」と材料にこだわったご要望は常に発生します。そういう商品は大量消費型ではないため多くても数千食単位の小ロットでの製造になります。

 

ところで、原料の中身が変わると、その都度製造ラインを全てクリーンナップしなければなりません。最新の機械でも丸洗いできるミキサーはないんです。だから作ったあとは全部アルコールを噴霧して全部手作業で拭いて乾かして、全部エアで拭いて……と人手も時間も必要になります。

 

麺機から出てくる「麺帯」をカットして「麺線」にしたとき、当社では3列で流れますが、大規模に生産するラインでは普通でも6列や10列です。小ロットでつくるとロスも出てしまいますし、頻繁にクリーンナップすることになり、ほとんどのメーカーでは、効率が悪すぎてとても対応できません。

 

当社はそこに対応できます。ミキサーを含め、最初から小ロットで生産するための設備にしています。この部分が最大かつ一番の特長です。

 

●製麺業者として“日本初”の有機認証を取得

──有機の認証を取得しているというのも特徴的ですね。

飯塚:有機加工食品の生産工程管理者の認定を取得しています。簡単に言えば有機認証のラーメンを作れるようになったのは日本で最初だと思います。有機ラーメンで何が大変かと言うと麺以上にスープこそ大変です。ただこれは当社以上に創健社さんは相当苦労したと思いますよ。スープはスープ屋さんしか作れませんし、そのスープ屋さんが生産量の少ない商品を作るために有機認証を取得するのは決断が必要です。そこを度重なる交渉とコストもかけて乗り越えて、次は原料をどう調達するかという部分を今よりずっと大変な時期にスタートしているんです。それは味づくりにも影響してきますから。ものすごく苦労したと思いますよ。だから3種類のスープを合わせた商品を作り上げたのは創健社だからできたようなものです。

 

時折「うちも有機ラーメンを作りたい」というご相談をいただきますが、みなさんスープを検討するところで止まります。有機認証を持っているスープ屋さんを見つけるのが大変なんです。ロットに関しても、麺については高橋製麺が3000食単位で受けられますが、スープメーカーは「もっと多くなければ困る」というところがほとんどですし、包材は数万単位からが普通です。そういうわけでなかなか有機ラーメンをつくる機会が増えませんでした。最近は「有機(オーガニック)製品を」「プラントベースのものを」という相談が、今までとは違う業種の方から来るようになっているので、こういうノウハウを持っていることは大事だなと感じています。

 

●高橋製麺株式会社|無添加即席めんを小ロット製造受託(OEM)

 http://www.takahashiseimen.com