「植物と動物に人の営みが加わると
身も心もが滋養に満たされる。
それは首尾一貫した意図に沿っていて
そこから私たちは歌や曲を作る力を得て、
美術や記念碑的作品や詩を創造できるようになるのだ。
──ジーノ・ジロロモーニ」
「ジーノと食と哲学と」シリーズ第5回は文化人でもあったジーノの信念。若き日、村長になって地域再生を試みたジーノは、ここイゾラ・デル・ピアーノで音楽祭を開いたり演劇の公演を開催したりするようになりました。大地を耕して作物を作ることと、土地に文化を花開かせることはジーノにとってひとつながりのことだったのです。英語で耕す意味の“cultivate”には文芸を磨く意味がありますし、“culture”と語源が同じだったりしますもんね。創健社も「食文化」という意味だけでなく、その時代の食のあり方は、その時代の文化を反映するものだと考えています。後世に誇れるようないい文化を作っていきたいものですね。
イタリアのオーガニック農業のパイオニア、ジーノ・ジロロモーニ(1946-2012)は、急な過疎化が進んでいた故郷イゾラ・デル・ピアーノを、オーガニック農業で復活させた生産者であり、それだけでなく、音楽・芸術などの文化拠点として人が集まるようにしたリーダーであり、信念と教養あふれる哲人であり、曲がった事が大嫌いな闘士でもありました。
●イタリア有機農法の先駆者、ジーノ・ジロロモーニのオーガニックスパゲッティ
http://sokensha.co.jp/GIROLOMONI/