健康コラム

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さばの缶詰について

常備しておきたい食品の一つ「さばの缶詰」の魅力をご紹介します。

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 公益社団法人「日本缶詰びん詰レトルト食品協会」が発表した国内生産統計における2022年度の缶びん詰生産量は飲料を除くとカテゴリーとして「水産」がトップとなり、その内訳としては「まぐろ・かつお類」に次いで「さば」となっています。

 2017年から2021年までは「さば」がトップとなっていましたが、これは記憶に新しい「さば缶ブーム」の影響と考えられます。

 さば缶はそのままおかずやおつまみとして食べても、ひと手間加えたりするなど料理の素材としても重宝されるだけでなく、その栄養価の高さも人気の理由のようです。

 では、さば缶にはどのような栄養成分が含まれるのか見ていきたいと思います。

【さば缶に含まれる栄養成分】

  ※創健社「さば水煮」の栄養成分より

栄養成分表示(1缶:190g当たり)

熱   量  287kcal炭水化物 0g
たんぱく質  28.3g食塩相当量 1.9g
脂   質  19.2gカルシウム 401mg
D  H  A  3,097mg、E  P  A   817mg

【カルシウム】

 カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

【DHA・EPA】

 ドコサヘキサエン酸(DHA)・エイコサペンタエン酸(EPA)はいずれもn-3系脂肪酸です。植物油系のn-3系脂肪酸の代表的なものがα-リノレン酸であり、えごま油やカメリナ油などに含まれています。

 これらの脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸です。

 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、DHAおよびEPAを含むn-3系脂肪酸の一日の食事摂取基準は、18~49歳の男性で2.0g、女性で1.6g、50~64歳の男性で2.2g、女性で1.9g、65~74歳の男性で2.2g、女性で2.0g、75歳以上の男性で2.1g、女性で1.8gとされています。

 なお、妊婦は胎児の器官生成のため、より多くのn-3系脂肪酸の摂取が必要です。また、授乳婦も、n-3系脂肪酸を十分に含む母乳を分泌できる量を摂取する必要があります。食事摂取基準では、妊婦と授乳婦の摂取量について、それぞれ目安量が設定されています。(妊婦の一日の食事摂取基準は1.6g、授乳婦は1.8g)。

 さば缶はおいしさと必要な栄養成分の2面を合わせ持つため、常備しておきたい食品の一つであると言えます。