健康コラム

Health column

世界のヴィーガン・ベジタリアン事情

ヴィーガン、ベジタリアンと言われて思い浮かべるのは「体に良い」、「宗教的理由」、そして欧米では動物愛護をイメージする人もいると思います。 しかしここ10年で状況が大きく変わりました。それは、地球環境対策を目的としている企業が次々と出てきたことです。

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ヴィーガン・ベジタリアンとはなんでしょうか?

 ベジタリアンとは直訳すると「菜食主義者」です。様々な理由から動物性の食品の一部を避ける人、またはそのような食生活を行う事を言います。

 ヴィーガンは、動物性食品に加え、毛皮や革製品などの動物性の素材、成分を避ける人、またはそのような生活を行う事を言います。

 ベジタリアンが動物性の食品の一部を食べるかどうか本人の選択にゆだねられているのに対して、ヴィーガンは「完全菜食主義者」と呼ばれ、動物性の食品は一切口にしません。その中で食生活のみでヴィーガンを実践する方はダイエタリーヴィーガンとも言われています。

ヴィーガン、ベジタリアンの種類

種類 概要 魚介類 乳製品 蜂蜜 鶏肉 果実・種子類 五葷 生もの
ダイエタリー・ヴィーガン

完全菜食主義。ヴィーガンを食生活のみで実践、日本の「精進料理」も含む

× × × × ×
フルータリアン 果実常食者(フルーツやナッツしか食べない) × × × × ×
ロー・ヴィーガン 生のものを食べる(46度以上には加熱しない) × × × × ×
オリエンタル・ベジタリアン 五葷(匂いや刺激が強い野菜)を食べない、台湾の「素食」 × × × × × ×
ラクト・ベジタリアン 乳製品は食べる × × × ×
オボ・ベジタリアン 卵製品は食べる × × × ×
ラクト・オボ・ベジタリアン 卵製品・乳製品は食べる × × ×
ポーヨ・ベジタリアン 魚介類・卵製品・乳製品・鶏肉は食べる × × ×
ペスカタリアン 魚介類・卵製品・乳製品は食べる × ×
フレキシタリアン(セミ・ベジタリアン) 準菜食主義者(ある程度であれば動物性食品も食べる)

昔のヴィーガン・ベジタリアン、今はもう古い?

 ヴィーガン、ベジタリアンの種類を説明しましたが、実は、ここ10年で世界のヴィーガン、ベジタリアンの状況が大きく変わりました。
 日本では昔から豆乳は飲まれていましたが、最近は、大豆ミート等がファストフード店でも普通に見られるようになり、以前より植物性の食事を選択しやすくなってきました。
 しかし、欧米ではこれはもう古い話で、地球温暖化対策に待ったなしの現状で、こうした植物性の食事を選んでいた人達は、地球温暖化を防げる最も有効な手段の一つが動物性の食品を減らすことと言われているなか、自分達だけでは地球温暖化を止められない事を悟り、今までのヴィーガン・ベジタリアンの枠を超えて、全ての人達に植物性の食事を食べてもらうことを目的とした大きなビジネスを立ち上げてきました。海外では、動物性の食品を減らす新しいビジネスが次々に出来ているようです。

世界のヴィーガン・ベジタリアン事情

 世界のヴィーガン、ベジタリアン市場で最も大きな割合を占めているのは乳製品の代替品です。豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、そしてココナッツミルク等が今まで多く使われてきましたが、新しく出てきた企業では乳製品と同じ成分を発酵により微生物に作らせるという製品が出てきています。
こうしたメーカーはこのようなことを主張しています。

「当社で製造した乳タンパクは、従来の牛乳生産よりも二酸化炭素排出量が最大 97% 少ないため、当社で製造された全ての製品は従来の製品に比べて二酸化炭素排出量が大幅に少なくなります。」※1

 更に、日本ではまだまだ話題にされることが少ないバーチャルウォーター※2に対しても次の様に言っています。

 「当社で製造した乳タンパクは、従来の牛乳よりも水の使用量を最大 99% 削減します。ブルーウォーター(淡水湖、川、帯水層などの地表水または地下水資源から得られる水)の保全はこれまでのプラントベース乳製品でも解決に苦労している問題です。」※1

 肉類でも数十年前から大豆ミート等は多く使われてきましたが、今では「牛が植物を食べて肉が作られるなら、牛の部分を工場で行おう」という発想の製品が出てきて、大手のファストフードチェーン各社でも当たり前に見られるようになっています。

 こうしたプラントベース肉メーカーの一つは「当社のバーガーは米国産牛肉バーガーに比べ、水の使用量を99%削減、土地の使用量を93%削減、エネルギーの使用量を50%近く削減、そして温室効果ガスの排出量を90%削減します。」※3と言っています。

こうした企業がなぜプラントベース食品を作ろうと思ったのか?

 プラントベース乳製品のメーカーはこのようなことを言っています。
 「食糧生産、気候、社会経済的機会、そして公平性の間には直接的な関係があります。 食べ物をどのように作るかは、私たちの周りの世界を変える最も明確な方法の一つです。」

 プラントベースミートのメーカーもこう言っています。
 「サラダを提供することで動物の肉を食べることから人々を遠ざけるつもりはありません。より良い肉の選択肢を提供する必要があります。当ブランドが約束するのは、消費者がジューシーで美味しいハンバーガー、ビーフ、ソーセージ、チキンなどの大好きな物を食べられるようにすることです。 動物由来の肉から植物由来の肉に移行することで、人間の健康、気候変動、天然資源の制約、動物福祉という4つの拡大し続けている地球規模問題に対処できるのです。」

 こうした海外の企業は地球とそこに暮らす全ての生き物に対して正しく行動する責任があると感じているようです。

創健社はプラントベースに取り組んで約50年

 創健社は約50年前の創業当初から、プラントベース(植物素材100%)を積極的に生活に取り入れることで、より健康的な食生活に繋がる事を訴えてきました。しかしこれからは私達の体だけでなく、地球全体の健康を考える時代に代わってきています。

※1参考文献

https://m4f6w9b2.rocketcdn.me/wp-content/uploads/2022/01/Comparative-Perfect-Day-Whey-LCA-report-prepared-by-WSP_20AUG2021_Non-Confidential-1.pdf

※2参考文献

https://www.env.go.jp/water/virtual_water/

※3参考文献

https://css.umich.edu/publications/research-publications/beyond-meats-beyond-burger-life-cycle-assessment-detailed