健康コラム

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合成甘味料のはなし

食品に甘みをつけるには、家庭では「砂糖」ですが、販売されている加工食品などには様々な甘味料が使用されています。

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 食品に甘みをつけるには、家庭では「砂糖」ですが、加工食品には様々な甘味料が使われています。

 まず、糖質系甘味料と非糖質系甘味料の2種類に分けることができます。さらに、糖質系甘味料は砂糖・でん粉由来・その他の糖・糖アルコールがあり、非糖質系甘味料は天然系甘味料と合成甘味料に分けられます。

 今回は、非糖質系甘味料の合成甘味料に注目してみましょう。

 近年、合成甘味料がブームになった火付け役は、「低カロリー」や「カロリーゼロ」。食べても罪悪感がないとして、消費者に好まれています。ただ、うまい話には裏があり、合成甘味料のしっかりとしたエビデンスは出ていないものの、今年6月の週刊新潮に次のような記事が掲載されました。

 フランスの有名大学が10万人を追跡調査したところ、その摂取量が多い人はがんのリスクが13%も増えたという衝撃的なデータが今年3月に発表されました。複数の論文が示す「危険成分」とがんの本当の関係として掲載されました。

では、個々の合成甘味料を見てみましょう。

・アスパルテーム(よく使われている商品:飲料・加工食品・健康食品)

 現在最も有名な合成甘味料がアスパルテームかもしれません。アスパルテームは「糖質ゼロ」の飲料品などに利用されている人工甘味料です。

 アミノ酸(アスパラギン酸)とフェニルアラニンに由来しており、砂糖の200倍ほどの甘みを持つと言われています。カロリーは1グラム当たり4キロカロリーと、普通の砂糖と変わりません。少量の摂取量で甘みを感じることができるというメリットがありますが、多く摂取しすぎると砂糖を摂取するのと変わりがないので過剰摂取は禁物です。

・スクラロース(よく使われている商品:飲料・加工食品・健康食品)

 スクラロースはかなり強い甘みを持った合成甘味料で、その甘さは砂糖の600倍ほどだと言われています。もともと1976年に、イギリスの農薬の研究中に生まれた人工甘味料で、1991年にカナダで使用が認可され、そののちの1999年に日本でも認可が下りました。

 分子構造に塩素を含んでおり、ダイオキシンというような有害物質に近いものとされています。動物実験で、ラットの腸内細菌(善玉菌)を殺す作用があることが確認されていますので、 過剰摂取は避けたほうが無難かと思います。

・アセスルファムK(よく使われている商品:飲料・アイス・飴・加工食品・健康食品)

 アセスルファムKはアスパルテームと並んで広く使用されている合成甘味料のひとつです。

 1967年にドイツで偶然発見された合成甘味料で、日本では2000年に使用が認可され、以降急速に普及しました。砂糖の200倍の甘みを持っているとされており、また、苦みの緩和などの効果があるといわれています。

 ただし、動物実験で甲状腺障害や脳機能障害の原因になる可能性があることが明らかになっているので、過剰摂取には注意が必要であると言えるでしょう。

・サッカリン(よく使われている商品:醤油)

 1879年にアメリカで初めて合成され、サッカロース(ショ糖)に似せて命名されました。工業的にはo(オルト)-トルエンスルホンアミドを過マンガン酸カリウムなどの酸化剤を用いて酸化する方法により製造されています。真空中で昇華する白色の結晶で、わずかに苦味がありますが、ショ糖のおよそ500倍の甘味をもつので、ダイエット食品などの甘味料として使われています。エタノール(エチルアルコール)には溶けますが、水には溶けにくいので、水に溶けやすいナトリウム塩(C7H4NO3SNa・2H2O)を甘味料として用いています。

 1960年代には動物実験の結果から発がん性の疑いがもたれ、アメリカでは1977年に一度使用禁止になりました。しかし、その後の実験からは発がん性の証拠が得られず、1991年には発がん性化合物のリストから外されました。現在では、アメリカ、中国など多くの国で使用が認められて大量に使われています。

 しかし、日本においては食品衛生法により、サッカリンの最大使用量が定められているため、ほかの合成甘味料が使われる事が多くなっています。

 合成甘味料は単体で食べると初めは甘く、後から強い苦みを感じます。そのため、合成甘味料を使用する時には、半数以上は何かしらの他の(合成)甘味料を使用して味の調整を行っていますので、裏の一括表示などをご覧になって頂くのも面白いかもしれません。