合成食品添加物でほんものの味が失われていく
私たちの食生活は、もはや加工食品なしには成り立ちません。そこで気になるのが食品添加物です。だしの素・めんつゆなどの簡易調味料に始まり、カレールーやドレッシング、冷凍食品、ツナフレークなどの下ごしらえ素材缶、ソーセージやハム、レトルト食品、漬け物まで、そのほとんどに食品添加物が使われています。よく「健康のために、無添加のものを選んでいる」といった声を聞きますが、知らない間に口にしていることもあるので要注意です。食品添加物について正しい認識を持ち、その上で、上手な付き合い方をマスターしましょう。
そもそも食品添加物とは、素材となる食品の他に使われるものをいいます。使われる目的は、「着色する」、「うま味、甘み、酸味などの味を出す」「形を整える」「独特の食感を持たせる」「栄養成分を補う」「品質を保つ(日持ちさせる)」などです。国が食品衛生法において「使ってもいい」と認めている食品添加物は約1500にのぼります。それらは天然物を原料とした天然添加物と、化学的な方法を使って作られた合成添加物そして天然香料とに分けられています(実際には既存添加物、指定添加物、天然香料、一般飲食添加物という名称で分けられています )。[ 日本食品添加物協会 ]このなかで、気になるのは毒性が高く、使用基準が厳しく定められている合成添加物です。これには、合成着色料(赤102、赤3、黄4、黄5、青1、青2など)、発色剤(亜硝酸ナトリウムなど)、合成甘味料(サッカリンナトリウム、アスパルテームなど)、合成酸化防止剤(BHT、BHAなど)、合成保存料(ソルビン酸など)、防カビ剤(OPP、TBZなど)などがあります。いずれも、天然には存在しないものであり、安全性を疑問視する声もあります。次に、動物実験で「無毒」とされた添加物として、うまみを出すために使われる化学調味料、食品の色つやをだし、おいしそうに見せるための着色料、甘みを出すための人工甘味料などがあります。これらも長期間にわたってそれらを複合的に摂取し、人体に蓄積された結果、どのような影響が出るかはわかっていません。また、害の有無とは、別の問題もあります。それは、合成添加物によって演出された味付けを「おいしい」と錯覚してしまったり。着色料で染められた漬物の色で「おいしそう」と感じてしまう「五感の狂い」です。化学的な味つけや、食感・見た目の演出のために使われる添加物が本当に必要かどうかについて、改めて考えてみる必要がありそうです。